トリガー
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トリガー
Environment Manager コンソールのトリガーは、起動、ログオン、およびセッション切断などの共通のコンピュータとユーザ イベントを表します。これらはポリシー構成ナビゲーション ツリーの静的要素であり、編集、移動、または削除することができません。Environment Manager 構成は、トリガーが関連するイベントに基づいて作成されます。ノードは、条件と処理を含むトリガー内で作成されます。これにより、トリガー、条件、処理の間で、依存関係が作成されます。トリガーが実行されると、存在する条件が検証され、満たされた場合は、処理が実行されます。
例:
トリガー | 条件 | アクション |
---|---|---|
コンピュータの起動 | コンピュータ > コンピュータ IP アドレス | ファイル & フォルダ > ファイル属性の修正 |
以下の例では、条件と関連付けられた処理を含む「非表示」ノードが起動トリガーに追加されました。管理されたエンドポイントが起動すると、Environment Manager エージェントは、IP アドレスが100.100.100.100~123.123.123.123の間であるかどうかを確認します。該当する場合は、Word 文書 Test.docx が非表示のファイルになります。エンドポイントが条件を満たさない場合、Word 文書プロパティが変更されません。
選択すると、作業領域の各トリガーには2つのタブが表示されます。環境タブと概要タブです。[概要] タブには、トリガーの内容に関する概要が表示され、各ノード、状態 (有効または無効)、および関連付けられた処理数が表示されます。
トリガーはポリシー構成ナビゲーション ツリーの2つの固定ノード (コンピュータとユーザ) に該当します。
コンピュータ トリガー
トリガー | 説明 |
アプリケーション起動時 | コンピュータが起動したときに処理を実行します。組織内のすべての標準コンピュータの共通イメージを作成する際に役立ちます。 |
利用可能なネットワーク | ネットワークが利用可能になると、処理が実行されます。AD ルックアップを実行する条件や、ネットワーク ロケーションからファイルをコピーする処理などで役立ちます。これらの項目は、起動トリガーでは正常に機能しない場合があります。ネットワークがその時点で必ずしも使用可能であるとは限らないためです。 |
シャットダウン | コンピュータがオフになったときに処理を実行します。 |
プロセス開始 | プロセスが開始すると、トリガー内の処理が実行されます。 |
プロセス停止 | プロセスが停止すると、トリガー内の処理が実行されます。 |
ユーザ トリガー
トリガー | 説明 |
---|---|
ログオン | ユーザがシステムにログオンすると、デスクトップ シェルが起動する前に、処理が有効になります。 スマートカードリーダーとの互換性の問題のため、ログオン処理は、スマートカードにログオンするときには実行されません。これは Windows 7および Windows 2008 R2オペレーティング システムに影響します。 詳細については、Ivanti ユーザ コミュニティのドキュメント4747をご参照ください。 |
ログオン > プレセッション | ターミナル サービスがログオンの通知を受信する前に、処理が有効になります。レジストリ、グループ ポリシー、および環境処理はこのサブトリガーと互換性があります。アップグレード中に、以前にはログオン トリガーの [環境] タブにあった処理がここに移動します。 |
ログオン > プレデスクトップ | ユーザがシステムにログオンすると、デスクトップ シェルが起動する前に、処理が有効になります。アップグレード中に、以前にはログオン トリガーにあった処理がここに移動します。 |
ログオン > デスクトップが作成されました | デスクトップ シェルとエクスプローラが起動した後に、処理が有効になります。効率とログオン時間を改善するには、ドライブやプリンタのマッピングといった、重要ではないログオン処理をこのトリガーに追加します。 |
ログオフ | 関連付けられた処理は、ユーザがログオフするときに除外されます。Environment Manager ログオフ処理は、グループ ポリシー スクリプトとすべてのログオン後処理が完了した後に実行されます。強制ログオフの後に、ログオン後処理は完了まで実行されます。その後に、ログオフ処理が実行されます。 Remote Desktop Protocol v6.0を使用している場合は、ログオフ処理のセッション切断トリガーを使用します。リモート アプリケーション プロシージャはログオフしないため、切断されます。 |
プロセス開始 | プロセスが開始すると、トリガー内の処理が実行されます。 Environment Manager とストリームされたアプリケーションを使用している場合は、「ストリームされたアプリケーション」をご参照ください。 |
プロセス停止 | プロセスが停止すると、トリガー内の処理が実行されます。 |
ネットワーク接続 | このトリガー内の処理と条件は、各物理または仮想ネットワーク アダプタが接続を確立するときに、実行されます。個人設定サーバが構成内で定義される場合、トリガーが起動すると、個人設定ポーリングが実行されます。ネットワークが検出されると、トリガーが起動します。ネットワークが「不明」に分類される場合は、トリガーが起動しません。 |
ネットワーク切断 | このトリガー内の処理と条件は、各物理または仮想ネットワーク アダプタが接続を切断するときに、実行されます。ネットワークが「不明」に分類される場合にも、トリガーが起動します。たとえば、ドメイン コントローラが機能を停止した場合や、ワイヤレス接続が範囲外になっている場合にこのような状況になる可能性があります。 |
セッションの再接続 | ユーザの切断されたセッションが再接続されると、トリガー内の処理が実行されます。 |
セッション切断 | ユーザのライブ セッションが切断されると、トリガー内の処理が実行されます。 |
セッション ロック | ユーザのデスクトップがロックされると、トリガー内の処理が実行されます。 |
セッションのロック解除 | ユーザのデスクトップがロック解除されると、トリガー内の処理が実行されます。 |
セッションのロックおよびセッションのロック解除トリガーは、発行済みアプリケーションには適用されません。これは、アプリケーションが実行中のセッションにのみ適用されます。
XenDesktop 接続のトリガーと後方互換性
Environment Manager 10.1より前では、XenDesktop バージョン7.8以前を使用するときに、ログオン、切断、再接続、ロック、およびロック解除した場合、次のトリガーが実行されました。
ユーザ動作 | 実際のトリガー (RDP) | 実際のトリガー (ICA) |
---|---|---|
ログオン | ログオン | ログオン |
切断 | 切断 | ロック |
再接続 | 再接続 | ロック解除 |
ロック | ロック | ロック |
ロック解除 | ロック解除 | ロック解除 |
この原因は、ユーザが切断し、再接続すると、ICA セッション、ロック処理、およびロック解除処理がトリガーされたことでした。この動作は、XenDesktop 7.9以降で修正されました。ただし、前のバージョンを実行している場合は、Environment Manager が XenDesktop 7.6 - 7.8環境で切断と再接続を編出することができます。バージョン10.1の構成では、この検出は既定で有効です。古いバージョンの構成(バージョン10.0以前) をアップグレードするときには、既定で検出メカニズムが無効です。XenDesktop バージョン7.6~7.8を使用している場合は、詳細設定で IcaSessionConnectionOverride 設定を使用して、これを無効にすることができます。
詳細については、 「詳細構成設定」をご参照ください。
ログオン トリガー
現在のログオン トリガー構造 (セッション前、デスクトップ前、デスクトップ作成の3つのサブトリガー) は Environment Manager v8.5で導入され、以前のシングル ログオン トリガーと環境タブに代わりました。構成をアップグレードするときに後方互換性を確保するには、新旧どちらのログオン トリガー方法を使用するのかを選択できます。「ログオン サブトリガーを有効にする」をご参照ください。
プロセス開始および停止トリガー
コンピュータとユーザ プロセスの開始トリガーおよびコンピュータとユーザ プロセスの停止トリガーの両方で、最上位のノードを作成するときには、異なる動作が適用されます。
- ノードにはプロセス名条件を適用する必要があります。ノードをプロセス開始または停止トリガーに追加するときに、プロセス名条件ダイアログボックスが自動的に表示されます。ノードの条件を指定する必要があります。キャンセルを押すと、ノードが削除されます。
- 処理と条件は、作業領域内のプロセス条件を選択することによってのみ追加できます。他のトリガーとは異なり、ナビゲーション ツリーでトリガーを強調表示しても、処理と条件は削除できません。他のプロセス名条件は例外であり、プロセス トリガーを選択して追加できます。
- 初期プロセス名条件は、ノード内から削除できません。削除するには、ノードを削除する必要があります。
- プロセス名条件の [失敗した場合に停止する] は無効にできません。条件が失敗すると、条件内の何も実行されません。
- 再利用可能なノードはプロセス開始/停止トリガーに追加することができ、含まれる処理がトリガーに対応していることを示します。
- [一致] フィールドにアプリケーションを入力するときには、ファイル拡張子を追加する必要があります。calc は動作しませんが、calc.exe は動作します。
- 8.1より前では、プロセス名条件は、プロセス開始/停止トリガーに適用する必要がありませんでした。アップグレード時に、すべての処理と条件が作成されますが、プロセス名条件がないと、ノードのすべての最上位の処理と条件は、ユーザ/コンピュータ セッション中に開始するすべてのプロセスに対して実行されます。これは、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
パフォーマンスに影響しないことを保証するには、プロセス名条件を追加し、既存の処理と条件を追加します。
これらの動作は、プロセス開始および停止条件で作成された子ノードには適用されません。
コンピュータ プロセス開始および停止トリガーのみがシステム プロセスを検出し、ユーザ プロセス開始および停止トリガーのみがユーザ プロセスを検出します。
ネットワーク トリガー
ネットワーク接続およびネットワーク切断トリガーは、各個別のネットワーク アダプタが接続または切断するときに作動します。
セッション変数は、利用可能なネットワーク、ネットワーク接続、ネットワーク切断トリガー内で使用し、ネットワーク接続の属性を決定できます。ビルトイン セッション変数はネットワーク トリガーの期間中に永続し、トリガーがすべてのノードの実行を完了すると使用できません。
利用可能なネットワークトリガーでは、次のビルトイン セッション変数が使用できます。
セッション変数 | 説明 | 例 |
---|---|---|
Network.Domain | 接続固有の、アダプタの DNS サフィックス。メモ:これは、コンピュータが参加しているドメインではなく、接続のドメイン名です。 | domain.local |
Network.DomainType | 接続されたネットワークのドメイン タイプ。使用可能な値は次のとおりです。 0 - プライベート ネットワークに接続されたワークグループ コンピュータ 1 - ドメイン ネットワークに接続されたワークグループ コンピュータ 2 - ドメイン ネットワークに接続されたドメインに参加しているコンピュータ |
2 |
Network.Id | ネットワークを一意に識別する GUID。 | {9A445C40-B550-4B79- 8F4F-94475BCB5FCA} |
利用可能なネットワーク、ネットワーク接続、ネットワーク切断トリガーでは、次のビルトイン セッション変数が使用できます。
セッション変数 | 説明 | 例 |
---|---|---|
Network.Domain | 接続固有の、アダプタの DNS サフィックス。メモ:これは、コンピュータが参加しているドメインではなく、接続のドメイン名です。 | domain.local |
Network.DomainType | 接続されたネットワークのドメイン タイプ。使用可能な値は次のとおりです。 0 - プライベート ネットワークに接続されたワークグループ コンピュータ 1 - ドメイン ネットワークに接続されたワークグループ コンピュータ 2 - ドメイン ネットワークに接続されたドメインに参加しているコンピュータ |
2 |
Network.Id | ネットワークを一意に識別する GUID。 | {9A445C40-B550-4B79- 8F4F-94475BCB5FCA} |
Network.Adapter.BSSID | アクセス ポイントのメディア アクセス コントロール (MAC) アドレス。 | 6E:DD:3A:91:F2:8D |
Network.Adapter.Description | ネットワーク アダプタの説明。通常は、ネットワーク アダプタの製造元またはタイプです。 | Intel(R) 82577LC Gigabit Network Connect |
Network.Adapter.FriendlyName | ネットワーク アダプタのフレンドリ名。ネットワークと共有センターに表示されるアダプタ名です。 | ローカル エリア接続 |
Network.Adapter.Id | ネットワーク アダプタを一意に識別する GUID。 | {F2DD3B93-5BD8-489CA7C7-32E2964AA0D5} |
Network.Adapter.IPv4Address | ネットワーク ダプタの IPv4 アドレス | 192.168.1.1 |
Network.Adapter.IPv4SubnetMask | 省略表記でのネットワーク アダプタの IPv6アドレス ネットワークが IPv6ネットワークでない場合は、アドレスは「fe80:」で開始するローカルリンク アドレスであり、ルーティング可能ではありません。 |
255.255.255.0 |
Network.Adapter.IPv6Address | ネットワーク アダプタの IPv4プレフィックスの長さ。 | 64 |
Network.Adapter.IsVirtual | ネットワーク アダプタがソフトウェアベースである場合は True、ネットワーク アダプタが物理的である場合は False を返します。 | True |
Network.Adapter.IsWireless | ネットワーク アダプタが IEEE 802.11ワイヤレスである場合は True、ネットワーク アダプタが有線である場合は False を返します。 | False |
Network.Adapter.MAC | ネットワーク アダプタのメディア アクセス コントロール (MAC) アドレス。 | 3D:C5:DB:AC:46:B6 |
トリガー環境
環境処理を含む構成を実行しているときには、トリガー環境は効率を最適化します。バージョン8.1より前では、環境変数処理が他の処理と同じ方法でノードに追加されました。環境変数がこの方法で実行されると、環境変数が、トリガーの他の処理の実行に影響を与える可能性がありました。
8.1より前のバージョンから8.1以降に構成をアップグレードするときには、すべての環境変数とセッション変数を目的のトリガーに追加することをお勧めします。
トリガーのすべての他の処理が実行されるまで、トリガー内のノードにある環境処理は実行または更新されません。
[環境] タブ内の処理は、ノードがトリガー内に存在しない場合は実行されません。
トリガー環境は、トリガーに適した条件のノードを追加する方法と同じように動作します。ただし、[環境] 処理のみを追加できます。他のすべての処理は選択できません。
次のトリガーでは、環境トリガーを使用できます。
- コンピュータ
- アプリケーション起動時
- 利用可能なネットワーク
- シャットダウン
- ユーザ
- ログオフ
- ネットワーク接続
- ネットワーク切断
- セッションの再接続
- セッション切断
- セッション ロック
- セッション ロック
次の例は、1つの条件と、環境処理および3つのその他の環境処理を含む [起動環境] タブを示します。
トリガー環境の構成
- ポリシー構成ナビゲーション ツリーで、トリガーを選択します。
- [環境] タブを選択します。
- [条件] タブを選択し、任意の条件を追加します。[環境] タブで条件を使用することは任意です。環境処理は直接追加できます。
- [処理] > [環境] をクリックし、任意の処理を選択します。
- 環境変数を設定
- 環境変数の追加
- 環境変数の削除
- セッション変数の設定
- セッション変数の削除