ソフトウェアの配布での自己組織型マルチキャストの利用

Ivanti の自己組織型マルチキャスト技術を使用すると、最小限のネットワーク トラフィックで大量のパッケージを多くのユーザに配布できます。自己組織型マルチキャスト機能は、その他のハードウェアまたはソフトウェア インフラストラクチャを必要とせず、マルチキャスト パケットを使用可能にするルータの設定も必要ありません。従来の問題は解決され、マルチキャスト テクノロジのすばらしい利点を活用できます。

自己組織型マルチキャストは既存のソフトウェア配布パッケージと連動するように設計されています。自己組織型マルチキャストを使用すると、複数のホップで接続速度の遅い WAN 環境でもソフトウェアを簡単に配布できます。自己組織型マルチキャストでは、Web サイトからボランティア サブネット代表への配布に HTTP を使用します。エンドポイント マネージャのインベントリ スキャナでは、すべてのサブネット情報が自己組織型マルチキャスト サービスに提供されます。

自己組織型マルチキャストは、従来のソフトウェア配布方法と比較すると、ソフトウェア パッケージ配布に必要な時間と帯域幅を大幅に削減できます。デバイスごとにパッケージを送信するのではなく、サブネットごとに 1 回だけ転送が行われます。サブネット上のデバイス数が多いほど帯域幅節減効果が上がります。

Ivanti® Endpoint Manager は Windows および Macintosh OS X 配布のマルチキャストをサポートします。さらに、OS プロビジョニング イメージをマルチキャストすることもできます。

自己組織型マルチキャストのワークフロー:

  1. マルチキャストを使用するタスクが開始し、対象のデバイスはサブネット上でそのタスクの既存のマルチキャスト セッションを検索します。セッションがない場合、デバイスはそのタスクのマルチキャスト ドメイン代表になります。各サブネットの代表はダウンロードを開始します。
  2. 他のデバイスがタスクを受信し、そのタスクの既存のマルチキャスト セッションがあることを確認して、マルチキャスト ドメイン代表のセッション開始遅延が経過するまで待機 (既定は1分) します。マルチキャスト ドメイン代表は、サブネットへのマルチキャストを開始します。
  3. マルチキャスト セッションが開始した後にタスクを受信したデバイスがマルチキャストに参加し、マルチキャスト データをキャッシュに保存し始めます。マルチキャストの最後に、ピアに対して、受信しなかったデータを確認します。
配布とパッチ エージェント設定でマルチキャストを有効にするには
  1. [ツール] > [セキュリティと準拠] > [エージェント設定] の順にクリックします。
  2. [エージェント設定] ツリーで [配布とパッチ] を右クリックし、[新規] をクリックするか、既存の [配布とパッチ] エージェント設定をダブルクリックします。
  3. [新しい設定] ページで [マルチキャストを使用する] を選択します。必要に応じて、[遅延] を変更します。これは、タスクのマルチキャスト ドメイン代表になったデバイスが、サブネット上のピアに対して配布ジョブをマルチキャストするまで待機する時間です。
  4. 変更内容を保存します。
  5. 修正した配布エージェント設定を既に使用しているデバイスは、次回の脆弱性スキャナの実行時 (通常は24時間以内) に、変更を受信します。

    また、新しい配布エージェント設定を作成し、任意のタスクに関連付け、デバイスの既定の配布設定を一時的に無効にすることができます。この手順は [エージェント設定] ページから実行します。

ローカル配布キャッシュ フォルダにファイルをコピーする

1つ以上のファイルをローカル配布キャッシュ フォルダにコピーするオプションがあります。ただし、ファイルをインストールするなど他の操作は行えません。ユーザがすぐにパッケージをインストールする必要があることが確実であり、ユーザにすぐにインストールしてもらいたい場合には、これが有効です。

ローカル配布キャッシュ フォルダにファイルをコピーするには
  1. コピーするパッケージを右クリックし、[スケジュール タスクの作成] をクリックします。
  2. [スケジュール タスク] ウィンドウで、作成したタスクを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
  3. [ダウンロード オプション] セクションの [タスク設定] ページで、[事前にキャッシュに保存する (将来のタスクのためにダウンロードまたはポータルが開始した処理)] をクリックします。
  4. タスクのスケジュールを終了します。