ロールアップ コアの SQL Server 複製の構成
Ivanti® Endpoint Managerはネイティブ SQL Server 複製を使用して、コアサーバのデータをロールアップ コアサーバにデータをロールアップします。SQL Server 複製はほぼリアルタイムであり、きわめて効率的です。このため、ロールアップ データベースの内容は、エンドポイント マネージャ 9.6より前で使用されていた古いロールアップ データベース ユーティリティよりもより最新の状態に近くなります。
前提条件
ロールアップ コア シナリオで SQL Server 複製を使用する前に、次の前提条件を満たす必要があります。
- エンドポイント マネージャ セットアップ プログラムの [複製] オプションが、複製に参加する各 DBMS SQL Server (パブリッシャとサブスクライバ) にインストールされていることを確認します。SQL Server setup.exe を実行して、これを検証できます。
- SQL Express の制限の1つは、複製トポロジでパブリッシャとして機能できないことです。このため、SQL Express をバックエンド データベースとして使用する エンドポイント マネージャ コアサーバからデータを複製できません。
- KB2840628v2がインストールされていることを確認してください (パブリッシャおよびサブスクライバ DBMS サーバ)。「Microsoft .NET Framework 4 Client Profile」更新の下にあります。KB2840628がインストールされている場合は、KB2840628v2であることを確認してください。再インストールすると、v2に更新されます。
ステップ 1:Windows アカウントを作成する (パブリッシャおよびサブスクライバ DBMS サーバ)
次の表を使用して、Microsoft SQL Server をインストールしたコンピュータで Windows ユーザ アカウントを作成します。「パブリッシャ」はコアサーバのデータベースをホストする SQL Server です。「サブスクライバ」はロールアップ データベースをホストする SQL Server です。
ユーザ名 | SQL Server | メモ |
---|---|---|
ldms_snapshot | パブリッシャ | 複製スナップショット エージェントで使用 |
ldms_logreader | パブリッシャ | 複製ログ読み取りエージェントで使用 |
ldms_distribution | パブリッシャとサブスクライバ | パスワードはパブリッシャとサブスクライバの両方で一致している必要があります。一致しない場合は、パブリッシャの配布エージェントがサブスクライバ データベースに接続できません。 |
ステップ 2:複製共有を作成し、Windows ユーザ権限を割り当てる (パブリッシャ DBMS サーバ)
コアサーバ データベースをホストする SQL Server (パブリッシャ) で、SQL Server フォルダに移動し、ReplData フォルダがない場合は作成します。既定の場所は次のとおりです。
C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.X\MSSQL\
この新しいフォルダを ReplData として共有し、詳細共有アクセス権 ([共有] タブ) と [セキュリティ] タブの [グループまたはユーザ名] で次のユーザに次のアクセス権が割り当てられていることを確認します。
C:\Program Files\Microsoft SQL Server\MSSQL.X\MSSQL\ReplData | |
---|---|
アカウント名 | アクセス権 |
<コンピュータ名>\ldms_snapshot | フルコントロール |
<コンピュータ名>\ldms_distribution | 読み取り |
ステップ 3:SQL Server COM ディレクトリで配布ユーザに変更権限を付与する (サブスクライバ DBMS サーバ)
ロールアップ コアサーバ データベースをホストする SQL Server で、SQL Server フォルダに移動し、COM ディレクトリを検索します。既定の場所は次のとおりです。
C:\Program Files\Microsoft SQL Server\<最新バージョン>\COM
COM フォルダをハイライト表示して右クリックし、[プロパティ] を選択します。[セキュリティ] タブで、配布ユーザを [グループまたはユーザ名] セクションに追加し、[修正] をクリックして、フルコントロールを除くすべての権限をそのユーザに割り当てます。
C:\Program Files\Microsoft SQL Server\<最新バージョン>\COM | |
---|---|
アカウント名 | アクセス権 |
<コンピュータ名>\ldms_distribution | 変更 | 読み取り & 実行 | フォルダの内容の一覧表示 | 読み取り | 書き込み |
ステップ 4:SQL Server エージェントの自動起動を構成する (パブリッシャおよびサブスクライバ DBMS サーバ)
複製が成功するには、パブリッシャで、SQL Server Agent サービスが自動起動する必要があります。次の手順を実行します。
- [スタート] > [実行] をクリックして services.msc と入力し、[Windows サービス] ダイアログを開きます。
- SQL Server Agent (MSSQLSERVER) サービスをダブルクリックし、[スタートアップの種類] を [自動] に変更します。
- [開始] をクリックし、サービスを起動します。
ステップ 5:SQL Server ポートが公開ファイアウォール経由で通信することを許可する (パブリッシャおよびサブスクライバ DBMS サーバ)
パブリッシャと各サブスクライバ:
- Windows コントロール パネルで、Windows ファイアウォールを起動します。左側で、[詳細設定] をクリックし、[セキュリティが強化された Windows ファイアウォール] ダイアログボックスを開きます。
- [受信の規則] をクリックし、右側で [新しい規則] をクリックします。
- [ポート] をクリックし、[次へ] をクリックします。
- [TCP] をクリックし、[特定のローカル ポート] の横に SQL Server エージェントが使用するように構成されている TCP ポート番号を入力します (既定のポートは1433)。[次へ] をクリックします。
- [接続を許可する] をクリックし、[次へ] をクリックします。
- [プロファイル] ページで、すべての SQL Server が相互に通信できることを保証するために環境内で必要なオプション (ドメイン、プライベート、またはパブリック) を選択していることを確認します。[次へ] をクリックします。
- 「SQL Server Replication」などわかりやすい規則の名前を指定します。[完了] をクリックします。
ステップ6:複製定義ツールを実行し、データベース認証資格情報とパブリッシャ情報を入力する (サブスクライバ DBMS サーバ)
サブスクライバで、Ivanti 複製ユーティリティを実行します。
C:\Program Files\LANDesk\ManagementSuite\LANDesk.Database.Replication.exe
このユーティリティを使用して、データベース サーバ Windows 認証資格情報とパブリッシャ定義を入力します。
IMPORTANT: 複製ユーティリティで [OK] をクリックすると、ロールアップ データベースのテーブルがすべて削除され、複製データをすべてのパブリッシャから再構築できます。データベースのサイズによっては、時間がかかる場合があります。ユーティリティで変更を行っていない場合、[キャンセル] をクリックして終了し、再構築が実行されないようにします。
データベース サーバ Windows 認証資格情報を入力するには
パブリッシャ定義を入力するには
- Ivanti 複製定義ユーティリティで、[追加] をクリックします。
- [コアサーバ] フィールドで、わかりやすい名前を入力します。このフィールドは、パブリッシャを整理する目的でのみ使用されます。
- 残りのフィールドに入力し、[OK] をクリックします。入力した情報が正しくない場合、エラー メッセージが表示されます。
- 各コアサーバ パブリッシャでこの手順を繰り返します。
手順7:パブリッシャの SQL Server Management Studio で複製を開始する
パブリッシャの SQL Server Management Studio で次の手順を実行します。
- [サーバ] > [複製] > [ローカル発行] を展開します。[DB]:LANDesk を右クリックし、[スナップショット エージェント ステータスの表示] を選択します。
- まだ開始していない場合は、[開始] をクリックします。
- 成功したことを確認します。
- [複製] を右クリックし、[Replication Monitor の起動] を選択します。実行され、エラーが発生していないことを確認します。
この時点で、複製が実行されています。ロールアップ データベースに問い合わせることで、さらに検証できます。
メモ
- パブリッシャとして機能するコアをアップグレードする場合は、アップグレードにより、コアのデータベースの複製が停止するため、LANDesk.Database.Replication.exe を再実行し、複製処理を再度初期化する必要があります。
複製スケジュールの変更
既定では、サブスクライバは30秒ごとにパブリッシャからトランザクション ログを取得します。必要に応じて、このスケジュールを変更できます。各パブリッシャには固有の複製スケジュールがあり、すべてを同じにする必要はありません。
パブリッシャの複製スケジュールを変更するには
- サブスクライバで SQL Server Management Studio を開き、[SQL Server エージェント] > [ジョブ] をクリックします。
- 修正するジョブを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [スケジュール] ページを開き、複製スケジュールをダブルクリックし、スケジュールを変更します。
トラブルシューティング
ライセンス エラーのため、複製後に エンドポイント マネージャ コンソールを開けません。
パブリッシャとして登録されている1つ以上の9.6以上のコアが必要です。コアサーバは権限を付与されている必要があります。