タイム ゾーンの関連付け

タイム ゾーンを管理するうえで、夏時間を考慮するタイム ゾーン インデックスを使用します。たとえば、タイム ゾーン (UTC-5.00) 東部標準時 (米国およびカナダ) は夏時間に合わせて調整されます。一方、タイム ゾーン (UTC-5.00):ボゴタ、リマ、キトは、同じ UTC のオフセットですが、夏時間の変更に合わせた調整は行われません。

既定では、対応契約 (RA)、運用レベル契約 (OLA)、または基本契約 (UC) のタイム ゾーンは、対応レベルで定義されるカレンダーに関連付けられています。つまり、対応レベルのエスカレーション計算は、アナリスト、エンド ユーザ、または構成項目の場所には関係なく、このタイム ゾーンに基づいて実行されます。

ただし、このタイム ゾーンは、サービス レベル管理で変更できます。たとえば、「タイム ゾーン名」属性を構成項目ウィンドウに追加し、タイム ゾーンを各構成項目に関連付けることができます。次に、RA、OLA、または UC のタイム ゾーンを構成項目のタイム ゾーンに関連付けることができます。このことは、対応レベルのエスカレーション計算が影響する構成項目のタイム ゾーンに基づいて行われることを意味します。このため、同じロンドンの RA、OLA、または UC で登録されている場合でも、ニューヨークの構成項目に関して計算されたエスカレーションと、ハンブルグの構成項目に関して計算されたエスカレーションは異なることになります。

たとえば、UTC-5 のタイム ゾーンに設定された構成項目と、UTC のタイム ゾーンに設定された構成項目について考えてみてください。OLA に関連付けられたカレンダーでは、09:00 に開始し、17:00 に終了するように設定されていますが、OLA のタイム ゾーンは構成項目のタイム ゾーンに関連付けられています。両方の構成項目に関する 2 つのインシデントが 09:00 UTC に同時に登録されます。

  1. ロンドン UTC: サポート時間は 09:00 ~ 17:00 です。
  2. ニューヨーク UTC-5: サポート時間は 09:00 ~ 17:00 (14:00 ~ 22:00 GMT) です。

UTC のサーバでは、1 時間のエスカレーションが 10:00 UTC に発生します。UTC-5 のサーバでは、ローカル時間が 09:00 (14:00 UTC) になるまで、エスカレーション計算が実行されません。したがって、このサーバの最初のエスカレーションは、ローカル時間 10:00 (15:00 UTC) となります。いずれのエスカレーションも同じローカル時間 (10:00) に実行されますが、UTC 時間は異なります。

あるいは、OLA のタイム ゾーンを対応レベルで定義されたカレンダーのタイム ゾーンに関連付け、タイム ゾーンを UTC に設定します。この場合、両方のインシデントの最初のエスカレーションが 10:00 UTC (ニューヨークのサーバでは、ローカル時間の 05:00) に発生します。

また、特定のユーザ、アナリスト、顧客などに対して、特定のタイム ゾーンを使用するように指定できます。タイム ゾーン属性は、対応契約で使用されるすべてのビジネス オブジェクトに関連付けることができます。この属性は、カレンダーで定義されたタイム ゾーンに優先します。

この属性を作成するときには、データ型String でなければなりません。また、タイム ゾーンの「下位データ型」プロパティを Timezone に設定する必要があります。属性の作成については、『デザイナー ガイド』をご参照ください。

タイム ゾーン関連付けは、最上位の RA、OLA、または UC でのみ設定できます。異なる個別の RA、OLA、または UC に対して、異なるタイム ゾーン関連付けを設定することはできません。たとえば、タイム ゾーン関連付けは、すべてのインシデント契約 OLA で同じでなければなりません。

タイム ゾーンの関連付けを変更するには:
  1. 管理コンポーネントを起動します。
  2. [サービス レベル管理] ツリーで、[契約] フォルダ、該当するモジュールの順に展開します。
  3. 該当する [プロセス] または [割り当て] フォルダを展開し、対応契約などの目的の割り当てタイプ フォルダを開きます。
  4. [処理] リストで、[タイム ゾーン属性を設定] をクリックします。
    [タイム ゾーン属性を設定] ダイアログが表示されます。
  5. [属性] ツリーで目的のブランチを展開し、[タイム ゾーン名] をクリックします。
    [選択された属性] フィールドが更新されます。
  6. [OK] をクリックします。
    このフォルダのすべての契約、運用レベル契約、または対応契約のタイム ゾーンは、選択された属性に関連付けられています。