構成エンドポイント マージ

エンドポイント構成マージは EM エージェントを使用して、1つのエンドポイントに保存された複数の AEMP 構成ファイルを1つの構成に組み合わせます。各構成からのノード、再利用可能な条件、およびメッセージ ライブラリは、マージされた構成に追加されます。

マージを実行するには、個別の構成をエンドポイントのディレクトリに追加し、マニフェスト ファイルでマージされる構成を指定します。EM エージェントはマージ ディレクトリを監視し、マニフェスト ファイルがディレクトリに追加されるときに、自動的に構成をマージします。

エンドポイント構成マージでは、さまざまなビジネスの領域が構成の特定の領域で独立して機能することができます。これを追加して、1つの構成を作成することができます。大きい構成に対する小規模な変更が必要な場合は、変更された領域のスニペットを作成できます。このスニペットをエンドポイントでマージすると、大きい構成をプッシュする必要がありません。

このセクションの内容

マージのコンポーネント

構成マージは次のコンポーネントに依存します。

基本構成

すべてのマージには基本構成が必要です。これは、マージの最初の構成であり、その上に他の構成が追加されます。マージされた構成は、カスタム設定、監査オプション、および個人設定などのグローバル属性を基本構成から取得します。

このため、マージされない設定が基本で定義されている必要があります。

既定では、基本構成は AEMP ファイルとして設定されます。これは、ライブ構成がエンドポイントに保存されるときに作成されます。

%ProgramData%\AppSense\Environment Manager\Configuration.aemp

基本構成とマージのすべてのコンポーネント構成は、Environment Manager のバージョンが10.0以降でなければなりません。マージする前に、古いバージョンの構成をアップグレードします。

コンポーネント構成

マージされた構成は、基本構成と、1つ以上のコンポーネント構成から成り立っています。コンポーネント構成は、マージ中に基本構成に追加される AEMP ファイルです。マージの一部として、コンポーネント構成を MergeConfigs ディレクトリに保存する必要があります。

コンポーネントからのノード、プレトリガー、実行、およびユーザ メッセージはマージに含まれます。監査オプションなどの他の設定は、基本構成からのみ取得されます。基本構成とマージのすべてのコンポーネント構成は、Environment Manager のバージョンが10.0以降でなければなりません。マージする前に、古いバージョンの構成をアップグレードします。

MergeConfigs ディレクトリ

このディレクトリは、マージ用にコンポーネント構成が保存され、有効なマニフェストファイルが検出されるときにマージがトリガされる場所です。

エンドポイントで EMCoreService を起動すると、MergeConfigs ディレクトリが作成されます。

%ProgramData%\AppSense\Environment Manager\MergeConfigs

このディレクトリは保護され、管理者のみが書き込めます。これにより、エンドユーザがマージ構成に影響を及ぼせないことが保証されます。

マニフェスト

マニフェストは、マージされる構成の詳細を含む XML ファイルであり、基本として含まれる構成を示します。エージェントが MergeConfigs ディレクトリでマニフェストを検出すると、マージが開始します。

マニフェストは、ManifestGen コマンドライン ツールを使用して作成されます。

次に、merge_manifest.xml ファイルの例を示します。

<MergeManifest UseSystemBase="true" WaitForConfigs="true">

<MergeFiles>

<FileEntry Name="config2.aemp" Checksum="563621a479c06d6d357b327283320288"/>

<FileEntry Name="config4.aemp" Checksum="4bc481043e6991253de15ec6993ee43f"/>

</MergeFiles>

</MergeManifest>

マニフェスト属性とタグ

属性/タグ 説明
MergeManifest 構成のルート ノード。
MergeFiles マージに含まれる AEMP ファイルのリストに関するコンテナ タグ。
FileEntry Name マージに含まれる構成を特定します。ファイルをマージに含めるには、MergeConfigs ディレクトリに存在する必要があります。

UseSystemBase

(オプション)

「true」または「false」に設定し、既定の Configuration.aemp をマージに含めるか除外するかを指示できます。これは %%ProgramData%\AppSense\Environment Manager にあるライブ Configuration.aemp ファイルです。「true」に設定する場合、マニフェストが配布されるときに、基本構成が既にエンドポイントに存在する必要があります。そうでない場合、マージが失敗します。「false」に設定されている場合、BaseConfig 属性で定義されていないかぎり、MergeFiles リストの最初の構成が基本構成として使用されます。

WaitForConfigs

(オプション)

マニフェスト .xml が MergeConfigs ディレクトリで検出され、一部の名前付き構成が存在しないときの動作を決定します。次の値を設定できます。
  • True - マニフェストで参照されているすべての構成が存在するまで、マージが無期限に待機し、その後にマージが完了します。
  • False - 存在しない構成を参照するマニフェストが MergeConfigs ディレクトリで検出された場合には、マニフェストが失敗します。
MSI などのインストーラを使用して、構成とマニフェストをエンドポイントにプッシュする場合は、構成とマニフェストの追加順序を保証できないため、これを「true」に設定することをお勧めします。SystemBase Configuration.aemp ファイルを使用している場合には適用されません。マニフェスト マージがトリガされ、Configuration.aemp が存在しない場合は、マージが失敗します。基本を待機しません。

チェックサム

(オプション)

AEMP ファイルに固有の MD5チェックサム。マニフェストに含まれる場合、MergeConfigs フォルダの AEMP ファイルのチェックサムはマージに含まれるチェックサムと同じでなければなりません。基本構成はチェックサムによって参照されません。

ManifestGen ツール

ManifestGen コマンドライン ツールは、構成マージを定義およびトリガするために使用される XML マニフェスト ファイルを作成します。XML ファイルには、マージされる AEMP ファイルの詳細が含まれ、既定の Configuration.aemp またはコンポーネント構成がマージで基本として使用されるかどうかを指定できます。

merge_manifest.xml が出力でディレクトリに存在する場合は、ツールが失敗し、新しいマニフェストは作成されません。現在のマニフェストは上書きされません。

ツールを簡単に使用するには、 [詳細システム プロパティ] > [環境変数] > [パス] で、場所を Path 環境変数に追加します。
%PROGRAMFILES%\AppSense\Environment Manager\Console

マニフェストの作成

  1. マージする構成を MergeConfigs ディレクトリに保存します。
  2. %ProgramData%\AppSense\Environment Manager\MergeConfigs
  3. コマンドライン インターフェイスを開きます。
  4. cd %programdata%\appsense\environment manager と入力して、ディレクトリを変更します。
  5. manifestgen mergeconfigs\*.aemp と入力します。

MergeConfigs フォルダで manifestgen を実行する場合、マニフェストが作成されるとすぐに、エージェントがマニフェストを取得し、ただちにマージを開始します。

成功すると、merge_manifest.xml ファイルが次の場所に作成されます。%ProgramData%\AppSense\Environment Manager

マニフェストは、マージをトリガし、構成を作成するために使用できます。

追加のコマンド

ManifestGen ツールで引数を使用し、マニフェストを変更し、マージに影響を及ぼすことができます。異なる基本構成、出力ファイルを指定し、構成のチェックサム値なしでマニフェストを作成できます。

サフィックス 説明と使用
-o 出力フォルダ - manifest.xml ファイルが作成される場所を指定します。たとえば、manifestgen mergeconfigs\*.aemp -o c:\configs はマニフェストが C ドライブの Configs フォルダに作成されます。
-b 基本構成 - 基本構成を特定し、既定ベース構成を除外します。たとえば、manifestgen mergeconfigs\*.aemp -b config1.aemp は、基本構成として設定された Config1.aemp とマージされた構成を作成するマニフェストを作成します。
-nc チェックサム エントリなし - 既定では、マニフェストのリストにある各構成には MD5チェックサムがあり、構成を一意に識別できます。マニフェストのチェックサムが構成のマニフェストと一致しない場合、マージが失敗するか、正しいチェックサムの構成を待機します。ManifestGen ツールで -nc サフィックスを使用すると、マニフェストのリストにはチェックサムがありません。つまり、構成ファイル名が正しい場合、チェックサム値に関係なく、マージが成功します。例:manifestgen mergeconfigs\*.aemp -nc
-nw マニフェストが MergeConfigs ディレクトリに追加されるときの既定の動作では、マニフェストのすべての構成が存在するまで無期限に待機し、その後にマージを実行します。-nw サフィックスを使用すると、マニフェストが MergeConfigs ディレクトリに追加されるときに、リストの構成が存在しない場合、マージが失敗します。例:manifestgen mergeconfigs\*.aemp -nw マニフェストのリストに5つの構成があり、マニフェストが MergeConfigs ディレクトリに追加されるときに4つしか存在しない場合、マージが失敗します。MSI などのインストーラを使用して、構成とマニフェストをエンドポイントにプッシュする場合は、構成とマニフェストの追加順序を保証できないため、このサフィックスを使用しないことをお勧めします。

マニフェストの編集

マニフェストはテキスト エディタで編集および作成できますが、merge_manifest.xml ファイルが正しい形式であることを保証できるため、ManifestGen ツールを使用することをお勧めします。たとえば、ファイル名に「&」が使用されている場合、ManifestGen ツールはこの文字をエスケープし、有効な XML ファイルであることを確認します。

マニフェスト ファイルを作成した後は、ファイルを編集し、基本構成やマージの発生順序などの属性を変更することができます。

コマンドの例:

manifestgen mergeconfigs\*.aemp -b mergeconfigs\config3.aemp -nc

既定の作成基本構成が含まれず、config3.aemp が基本構成として設定されているマニフェストを作成します。WaitForConfigs 属性が既定の「true」に設定され、チェックサムは含まれません。

<MergeManifest UseSystemBase="false" WaitForConfigs="true">

<MergeFiles>

<FileEntry Name="config3.aemp" BaseConfig="true"/>

<FileEntry Name="config1.aemp"/>

</MergeFiles>

</MergeManifest>

マニフェストを編集するには、テキスト エディタでマニフェストを開き、必要な変更を行って、ファイルを保存します。

この例では、UseSystemBase が「true」に設定され、BaseConfig コマンドが Config3.aemp から削除されました。マージの順序も変更されました。

<MergeManifest UseSystemBase="true" WaitForConfigs="true">

<MergeFiles>

<FileEntry Name="config1.aemp"/>

<FileEntry Name="config3.aemp"/>

</MergeFiles>

</MergeManifest>

マージされるときには、既定の基本 Configuration.aemp ファイルが基本構成としてマージに含まれます。コンポーネント構成が基本にマージされる順序は逆になります。基本に設定された構成には、マージに含めるカスタム設定などのグローバル構成設定が含まれます。このため、別の構成を基本として選択するときには、注意が必要です。

同じマニフェストで構成に BaseConfig="true" および UseSystemBase="true" を設定すると、競合が生じ、マージが失敗します。

BatchConfig ツール

最低バージョンの AEMP ファイルのみをマージに含めることができます。BatchConfig ツールは、古い AEMP ファイルと XML スニペットを正しいバージョンの AEMP ファイルに変換します。

同時に複数のファイルを変換し、入力ごとに1つの出力ファイルを生成できます。

ソースからの1つ以上の構成が既に出力ディレクトリに存在する場合は、ツールが失敗し、構成のいずれも変換されません。

ツールを簡単に使用するには、 [詳細システム プロパティ] > [環境変数] > [パス] で、場所を Path 環境変数に追加します。
%PROGRAMFILES%\AppSense\Environment Manager\Console

構成ファイルの一括変換

  1. 単一のフォルダに変換する、AEMP および XML ファイルを保存またはコピーします。
  2. コマンドライン インターフェイスを開きます。
  3. BatchConfigTool と入力し、その後に次の形式でソースおよびターゲット フォルダの詳細を入力します。

    BatchConfigTool <source directory\file type> -o <output directory>

一括変換の例

BatchConfigTool C:\Configs\Source\*.xml -o C:\Configs\Output

この例は、ソース ディレクトリの XML スニペットを、出力ディレクトリに保存された現在のバージョンの AEMP ファイルに変換します。同じ形式を使用して、古い AEMP ファイルを現在のバージョンに更新できます。

BatchConfigTool C:\Configs\Source\*.aemp -o C:\Configs\Output

両方のファイル タイプを同時に変換できます。

BatchConfigTool C:\Configs\Source\*.aemp C:\Configs\Source\*.xml -o C:\Configs\Output

次の例では、ソース ディレクトリには8.3 AEMP ファイルと2つの XML スニペットが含まれていました。変換後、出力ディレクトリには、3つの現在のバージョンの AEMP ファイルが含まれています。

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BatchConfig ツールは、Environment Manager でインストールされます。ただし、EnvironmentManagerPolicyTools 32および64ビットを使用して、独立してインストールできます。これは、User Workspace Manager メディアに入っています。

監査イベント - 構成エンドポイント マージ

構成エンドポイント マージの新しい監査イベントが Environment Manager に追加されました。Windows イベント ビューア ([Windows ログ] > [アプリケーション] を選択) で表示すると、マージが失敗した原因など、イベントの詳細情報が表示されます。

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