強化されたログ記録プロジェクトの使用

Velocity Client の「強化されたログ記録」とは、管理者が Android デバイス上のデバッグログをオンにしてログ ファイルを容易に取得できるようにするための方法です。 Velocity ログ、ネットワーク ログ、および画面キャプチャ ファイルに関して、強化されたログ記録を使用します。 強化されたログ記録を使用してログ レベルを変更すると、デバイス上のプロファイルで設定されているログ レベルが一時的に上書きされます。 これにより、既存のホスト プロファイルの変更やデバイスへのファイルの配布を行うことなく、デバッグ ログの開始と停止を行えます。

強化されたログ記録プロジェクトを作成し、収集するログ ファイルまたは画面キャプチャを指定した後、表示された QR コードを Client を使用してスキャンします。 Client は、次のいずれかの条件が満たされるまで、デバッグ ログまたは画面キャプチャまたはその両方をオンにします。 

デバイス ユーザが強化されたログ記録をオフにする。

[メニュー] > [終了] をタップすることで Client が閉じられる。

デバイスの当該ファイル用のメモリが不足する。

強化されたログ記録が停止すると、Client はユーザにメッセージを表示し、ファイルを zip して Console に送信しますので、管理者は Console でそれらのファイルを調べることができます。 Console が使用可能になっていない場合、zip ファイルはデバイスの Downloads/com.wavelink.velocity ディレクトリに保存されます。

QR コードを使用せずにデバイス ユーザが強化されたログ記録をオンにすることはできますが、ファイルは常にデバイス上にローカルに保存され、Console には送信されません。 QR コードを使用せずに強化されたログ記録をオンにする方法については、「Velocity Client の使用」をご参照ください。 QR コードを使用せずに強化されたログ記録をオンにした場合、画面キャプチャ ファイルは含まれません。

強化されたログ記録プロジェクトで画面キャプチャをオンにすると、Client は、強化されたログ記録が使用されている間、アクティブになっているセッションごとに個別の画面キャプチャ ファイル (.wltsc) を作成します。

デバイスが Android 10である場合、Client は Downloads/com.wavelink.velocity ディレクトリにアクセスできないため、代わりにファイルを Android/data/com.wavelink.velocity/files ディレクトリに保存します。 Android 10よりも新しい、つまりそれよりも後のバージョンの Android デバイスでは Downloads ディレクトリにアクセスできますが、Android 10ではアクセスできません。

QR コードはどのように機能するか

QR コードを使用して強化されたログ記録をオンにすると、Console は、HTTPS 経由でファイルを受信するサーバのような役割を果たすと同時に、QR コードの表示も行います。 トラフィックは、QR コードに組み込まれているトークンを使用して保護されます。 適切なセキュリティのため、強化されたログ記録を自発的に使用している場合にのみ、QR コードを表示するようにしてください。 QR コードを印刷することを選ぶ場合は、QR コードへのアクセスを制限することを推奨します。 QR コードは、QR コードを生成した Console に固有のものです。

Console が Client から zip ファイルを受信するためには、デバイスがロギングを停止したときに Console が QR コードを表示している必要があります。 受信したファイルは Downloads フォルダに保存されます。 QR コードが表示されていない場合、Console はいかなるファイルも受け取りません。 (この場合、デバイスには Console が使用可能になっていない旨のメッセージが表示され、ファイルがローカルに保存されます)。ただし、プロジェクトを一度閉じて後で再度開いた場合に、Client がロギングを停止した際と同じ QR コードが表示されている限り、まだデバイスはファイルを Console に送信できます。 この QR コードは、Console を再起動すると、またはホスト アドレスまたはポートを変更すると、無効になります。

強化されたログ記録のオプション

強化されたログ記録プロジェクトには、以下のオプションがあります。 

顧客。 プロジェクトが関連付けられている会社または組織の名前。

ホスト。 ローカル コンピュータの IP アドレスまたはホスト名。 ホスト アドレスは QR コードで使用されているため、ホスト アドレスを変更すると QR コードも変更され、前に生成された QR コードは無効になります。

ポート。 Console が着信ファイルをリッスンするポート。 他のものがこのポートを使用しないようにしてください。

含む:

デバッグログ。 すべてのセッションのログ レベルをデバッグに設定し、Console に送信されるファイルに Velocity ログを含めます。

ネットワーク ロギング (TE のみ)。 ネットワーク ロギングのログ レベルをデバッグに設定し、Console に送信されるファイルにネットワーク ログを含めます。 ネットワーク ログは Web セッションには適用されません。

画面キャプチャ (TE のみ)。 画面キャプチャをオンにして、アクティブなすべての TE セッションの画面をキャプチャします。 セッションごとに個別の画面キャプチャ ファイルがあります。 画面キャプチャ ファイルは Console に送信されます。 画面をカスタマイズするための画面キャプチャの使用について詳細は、「画面の構成」をご参照ください。

ログ ファイルの場所を開く。 デバイスから送信されたファイルが保存されているローカルの場所を開きます。